白石加代子「百物語」シリーズ アンコール上演
抱腹絶倒の名作 筒井康隆「五郎八航空」と一番恐怖心を煽った逸品 南條範夫「燈台鬼」の豪華二本立!

公演日時:2016年9月22日(木・祝)・23日(金)
会 場:近鉄アート館(あべのハルカス近鉄本店ウイング館8階)

2014年秋、泉鏡花「天守物語」をもって「百物語」全99話を語り終えた白石加代子は、当初は「肩の荷がおりて、すっきりした」と晴れやかな表情だったのですが、時を経て次第に 〈まるで、愛を失ったかのような(本人談)〉 想いに急激に襲われたそうです。あまりにも自分にとって大きな存在だった「百物語」。ファイナルを楽しみに観に来てくださったお客様からも熱烈な再演のお声を温かくいただき、その声援に後押しされて、この度アンコール上演が決定いたしました。
「百物語」のレパートリーの中でも1、2を争う人気作品で抱腹絶倒! これぞ「百物語」ならぬ「ギャグ物語」と評される筒井康隆「五郎八航空」をアンコール上演のトップバッターに迎えました。しかもパートナーには、もっとも白石加代子らしい作品といわれる、南條範夫「燈台鬼」。大いに笑って大いに恐怖を味わえる大満足の二本立でお贈りいたします。

第27夜 筒井康隆「五郎八航空」
台風に、子供を背負ったおばさんのオンボロ飛行機に乗り合わせてしまった二人組の恐怖の体験。
こんなにも客席が笑いに満ちた舞台というのはちょっとないのではないだろうか。
筒井氏のコメント・・・「わたしは頭の中で白石さんが舞台でやってらっしゃるのは、文字として、文章として一行一行頭の中には浮かぶのですけれど、一行ごとにお客さんが笑うという、このような朗読劇はもう、前代未聞といっていいと思います」

第6話 南條範夫 「燈台鬼」
遣唐使・小野石根が異国の地で行方不明になる。帰らぬ父を待つ母と息子。成人した息子は父を捜すため、父が渡った唐の地へ。必死に父の姿を捜し求めるが見つからない。帰国が間近に迫った宴の席、奇怪な見世物集団が現れる。片手、片足の美女の舞、子供の頃から四角い箱に入れて育てられた真四角な男、そして・・・
早いテンポの名調子でひたひた押しながら、だんだんと佳境へと入ってゆく。最も白石加代子的な作品である。

 

白石加代子「百物語」シリーズ アンコール上演 筒井康隆「五郎八航空」 南條範夫「燈台鬼」
構成=演出:鴨下信一
出演=白石加代子
日時=2016年9月22日(木・祝)18:00開演 9月23日(金)15:00開演
※開場は開演の30分前
会場=近鉄アート館(あべのハルカス近鉄本店ウイング館8階)
<近鉄大阪阿部野橋駅、JR・地下鉄天王寺駅下車すぐ>
料金=前売7,000円/当日7,500円(全席指定・税込)
チケット取扱い=チケットセンター TEL.0570-023-300 http://cncn.jp/art-kan/
※チケットぴあ、ローソンチケット、CNプレイガイド、e+でもお取扱いしております。
主催・お問合せ=近鉄アート館 TEL.06-6622-8802  ※劇場窓口での前売券のお取扱いはございません。

 

「百物語」とは
「百物語」は100本の蝋燭を灯し、一人ずつ、自分の身に起こった恐い話をする。話が一つおわるごとに、蝋燭の灯芯を、一本ずつ消していく。そして百の話が話終わり、すべての灯芯が消されると、闇の中から真の恐ろしい魔物が現れる。だから百本目の話というのは決して、語ってはいけないという言い伝えだそうです。

白石加代子「百物語」シリーズは、明治から現代の日本の作家の小説を中心に、「恐怖」というキーワードで選び、それを白石加代子が朗読するという形で出発しました。
上田秋成「雨月物語」、泉鏡花「高野聖」、坂口安吾「桜の森の満開の下」、江戸川乱歩「押絵と旅する男」、という幻想文学の傑作作品から、半村良「箪笥」、筒井康隆「五郎八航空」、阿刀田高「干魚と漏電」、高橋克彦「遠い記憶」、宮部みゆき「小袖の手」、小池真理子「ミミ」といった現代作家の人気作品までの幅広いレパートリーと白石加代子の朗読という枠を超えた立体的な語りと動きの上演で人気を博しました。
また、ニューヨークでの三度にわたり上演され、「人物の変化とともに、語りのイントネーションも、表情も、姿形までもが変化する。千変万化の白石加代子にとって視覚上の限界はない。迷信深い母親も、権威的な父親も、いともたやすく、よどみなく演じ分ける。年齢すら問題ではない。この五十代の女優は、赤ん坊でも死にかけた男でも、何の苦もなく生き生きと描き出すのだ」と評され、ワン・ウーマンショー、たった一人のエンターテイメントと絶賛されました。

白石加代子が語る ・・・「百物語」とは?
劇団退団後、ほとんどお仕事もなかった時に、「裸電球一個の下で読んで聴かせるというのをやってみないか」と持ちかけられてスタートしたんです。私は嫌だったんですよ。女優はやっぱり台詞を覚えて演じるもの。読むなんて「過程」じゃないか、と。なのに、記者会見で「『百物語』というからには百話続くんですね。ライフワークじゃないですか」と 聞かれると、内心工ーッと思いながら「そうです」と答えていました。(笑) 岩波ホールでの第一夜は階段にお客様の列 ができて、夢見心地でいるうちにあっという間に大きくなっていった企画です。女神が微笑んだのね。最近になって、本当に演劇の神様っているな、と思わされています。